オペラシティアートギャラリーで行われている展覧会「感じる服 考える服:東京ファッションの現在系」に行って来ました。
ただ、正直、あんまり前衛的なファッションに興味はない。
半分以上は中村竜治さんの会場構成目当てでした。
中村竜治さんの会場構成は、展示者側が活かしも殺しもしていた。
うまく使った人ははっとするような展示になってたが、逆にただあの梁が邪魔で喧嘩してるだけのものがほとんどだった。
これは展示のための会場構成ではない。あくまでこれも展示の一つ。
会場も作品もお互いに主張しあうもんだから、なんだか落ち着かない。
ヨコトリの新港村みたいな状況がホワイトキューブのなかで繰り広げられる違和感があった。
中村竜治さんはデザインタイドの会場構成も手がけられていて、(実際に見たわけではないのであくまで想像だが)あのようなフェスティバルでの構成であれば、「会場自体が作品」といった種の会場構成もよかったのだろう。
今回はたしかに似たような、“作品のアラカルト”感が強い展覧会ではあった。が、あのホワイトキューブ内(しかも都現美のようなデカイ会場ではなくむしろ小さめ)であり、さらにタイドの手法よりもモノとしての存在感が大きい梁が用いられていることで、何か悪い意味での過剰さが感じられた。
会場に入る際の受付の方の執拗な注意(梁に頭をぶつけないよう注意してください)や、梁に付けられたクッション材、随所に置かれた「梁をくぐる際の補助のためのベンチ」(ベンチのそばにあった、決して休憩しないでくださいという注意書きから引用)もとても気になった。
中村さんはモノとしての存在を突き詰める。
だからこそ、そのほころびが随所に出てきていたのではないか。
出展者側とちゃんとコミュニケートできていたのか、はたまたそもそもそれができるような、
スケジュール、運営システムだったのか。
モノとして風景としての展覧会を支えるのは、そういった準備であり、運営のシステム。
それをコントロールできてこそ、ということを勝手ながら痛感した展示だった。
偉そうなこといってすみません。
梁の影に来場者の顔が隠れることによって、来場者自体が会場に展示される服たちの一部に見える。
そんな風景は、噂通り、とても面白かったです。
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